Autobianchi A112 ABARTH
sr.7をsr.5に作り変えます。

LA BOMBA レストア日記

【構造編】

 

ここから本格的にレストアとチューニングに入ります。まずは地道に下準備からです。これが一番時間がかかります。基本的なことはA112Racing La Bomba号と同じ手法でチューニングします。プライベートガレージなので至らぬところもございますが、参考にしていただくのはご自由です。自己責任においていじりましょう。

Hahaha!




FF車の歴史

AUTOBIANCHI社は世界で初めてFF車を量産したメーカーです。もちろんFFの元祖は他にもありアレック・イシゴニス氏が設計したMINIはよく語られるところです。しかしそれはエンジンとミッションを2階建てにしたものでMINI独特なものでした。AUTOBIANCHI社はFIAT NUOVA 500で一躍有名になったダンテ・ジアコーザ氏の設計によりPrimulaを1964年に発売しA111、A112へと進化させました。そしてA112は1969年から1985年まで17年間のロングセラーモデルとなったのです。これらはエンジンとミッションを並列して横置きにし現在のFF車のワールドスタンダードになり得たのです。




フレーム構造

世界初の設計による難点もいくつかあります。特にエンジンベイはただの四角い箱で現代のようなサブフレームは存在せずフェンダーまでもがモノコックの一部として構成されています。また当時は高級グランツーリズモにしか採用されなかった5MTを積むために左右のフレーム構造が異なり運転席側は直角に折れ曲がったフレーム、助手席側は真っ直ぐなフレーム、当然運転席側に負担がかかりクラックを生じます。素晴らしいアイデアもあります。スタビライザーをロアアームに直結する事でテンションロッドを省き軽量化と部品点数を減らす事に成功しています。効率的なシンプル設計で整備性もよく軽量でハイパワーなエンジンは耐久性もあります。

フロント・フレーム

左右のフレーム構造が異なり運転席側は直角に折れ曲がったフレーム、助手席側は真っ直ぐなフレーム、当然運転席側に負担がかかりクラックの原因にもなります。また鉄板は現在のように焼き入れしたものではなく生鉄で、ねじれやすく、あの何とも言えない地にへばり付く様なハンドリングを生み出します。



エンジン側

エンジンベイとストラット部です。灰色の部分はコーキング材(シール材)を剥がした部分です。


<エンジンルームの油汚れは灯油とブラシを使って洗い流してあげれば↑↑↑の様にキレイになります。

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室内側
バルクヘッドを室内から眺めます。当て板補強・スポット増しのためコーキングを剥がして行きます。


リアハウジングは多くの車両は錆びています。強度的にはあまり影響はありませんが当て板とスポット増しを施します。



当て板補強
左フロントフレームの補強です。これはラリー車によく見られる手法です。




エンジン降ろしました
エンジンはひとりでも降ろせます。必要なのは普通にジャッキとウマだけです。足回りを外して一度ジャッキを最低高まで下げればエンジンは地面5cmまで下がります。下に当て布団を敷いておけば楽勝です。あとはジャッキアップして布団ごと引きずり出します。さらにミッションを外せばエンジンは小さなものです。



エンジンマウント
エンジンマウントは重要な部品です。ここがゆるいとアクセルレスポンスに悪影響を及ぼすだけでなく、エンジンが大きくゆれてマフラーが折れたり触媒が助手席フロアを叩きます。そこでエンジンマウントを強化します。ノーマルのマウントの隙間を埋める事で解消されます。ウレタンブッシュもいいのですが振動がすごいので画像のようにブッシュの隙間に詰め物をします。今回はたまたまあったマグネシウム合金を旋盤で削り出しスペーサーを製作しブッシュ隙間にはめ込みフタをします。素材はマグでなくとも金属なら何でもいいです。



操作系
抱え込むようなステアリングさばきは私的にはあまりカッコ良くありません。高ナットなどを駆使して低価格ローダウンが可能です。またペダルポジションもあまり好みではないのでショートストローク化してあります。sparcoのペダルエクステンションも小さく加工してあります。シフトレバーはショートストローク化しさらに上に伸ばしステアリングのすぐ右下にセットします。欲を言えば構造上ステアリング剛性が低くハンドルが揺れるので何とかしたいところだ。



ヘッドランプ
ヘッドランプのオリジナルはcarelloかSIEM、JUDLUXなどの出目金タイプだが輸入業者が光量と光軸の問題で平べったいIKIに交換されてしまった。IKIとは国産のヨードランプメーカーで今ではトラックなどに採用されている。私的にはデザインは前者、実用は後者ですが、やっぱり何とかしたい。最近はH4E(ヨーロッパH4)のハイワッテージバルブが入手困難になった事もあり両者の利点を生かすことにしました。IKIの普通のH4球をベースにしてcarelloのレンズを合体させることです。どっち道carelloは車検ラインには通らないので次回の車検にはIKIとcarello改を持ち込んでみます。




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